結論
株式会社アイレップは2025年4月1日付の吸収合併により消滅しています。存続会社は株式会社Hakuhodo DY ONEです。また、アイレップの平均年間給与は合併前も有価証券報告書に記載がありませんでした。現在の数字として参照できるのはHakuhodo DY ONEの5,829千円(約583万円・2,690名)です。
出典: 株式会社博報堂DYホールディングス 第22期・第23期 有価証券報告書/最終確認日: 2026年9月30日
株式会社アイレップは現在存在しない
これは重大な事実なので、有価証券報告書の3つの独立した記載箇所で確認しました。
① 沿革(第1 企業の概況)
2025年4月 デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社と株式会社アイレップは、株式会社Hakuhodo DY ONEを存続会社とした吸収合併により消滅。
② 連結の範囲に関する事項(注記事項)
当連結会計年度より連結の範囲から除外した主要な連結子会社は次のとおりであります。(中略)合併による消滅 デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム㈱、㈱アイレップ
③ 平均年間給与の脚注(従業員の状況)
2025年4月1日付でデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム㈱と㈱アイレップは、㈱Hakuhodo DY ONEを存続会社とする吸収合併を実施したため、平均年間給与の対前事業年度増減率の算定基準となる前事業年度の平均年間給与につきましては、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム㈱と㈱アイレップの数値を合算して算出しております。
効力発生日は2025年4月1日、存続会社は株式会社Hakuhodo DY ONEです。3箇所の記載が相互に整合しています。
そのため、第23期(2026年3月期)の有価証券報告書では、関係会社の一覧にも、グループ28社の多様性指標の表にも、アイレップの行はありません。
合併前に公開されていた数字(第22期)
前期(第22期・2025年3月期)の有価証券報告書には、アイレップの記載がありました。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 有報に記載なし |
| 本社の従業員数(設備の状況) | 906名〔臨時44名は外数〕 |
| 管理職に占める女性従業員の割合 | 25.8% |
| 男性従業員の育児休業取得率 | 90.5%(全従業員・正規雇用とも) |
| 労働者の男女の賃金の差異(全従業員) | 74.3%(正規73.7% / パート有期104.9%) |
※第22期(2025年3月31日現在)。従業員数は「設備の状況」に記載された本社の人数であり、会社全体の従業員数として開示されたものではありません。
平均年間給与は合併前も開示されていません。博報堂DYホールディングスが平均年間給与を開示しているのは提出会社と従業員数の多い上位2社のみで、アイレップは対象外でした。
つまり「アイレップの平均年収は◯◯万円」という数字が有価証券報告書から取れたことは、もともと一度もありません。
現在参照すべきは株式会社Hakuhodo DY ONE
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 従業員数 | 2,690名〔臨時18名は外数〕 |
| 平均年齢 | 32.4歳 |
| 平均勤続年数 | 5.9年 |
| 平均年間給与 | 5,829千円(約583万円) |
| 対前事業年度増減率 | +2.5% |
| 資本金 | 100百万円 |
| 博報堂DYホールディングスの議決権所有割合 | 100.00% |
| 主要な事業の内容 | 広告業 |
※第23期(2026年3月31日現在)。
この「+2.5%」をそのまま読んではいけない
ここが本記事で最も重要な点です。Hakuhodo DY ONEの前期比+2.5%は、単一の会社の前年比較ではありません。
有価証券報告書の脚注に、前事業年度の平均年間給与はデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社と株式会社アイレップの数値を合算して算出したと明記されています。
つまりこの+2.5%は、「合併前の2社の合算値」と「合併後の1社の値」を比べた数字です。他社の前期比(株式会社博報堂 +3.2%、株式会社電通グループ +7.0%、トランスコスモス +4.1%)とは性質が違います。
会社側が脚注でその旨を書いているので、読む側はそれに従う必要があります。脚注を読まずに数字だけ並べると、比較にならないものを比較することになります。
合併前後の多様性指標を並べるときの注意
| 会社 | 対象期 | 女性管理職比率 | 男性育休取得率 | 男女の賃金の差異(全) |
|---|---|---|---|---|
| 株式会社アイレップ | 第22期(2025年3月期) | 25.8% | 90.5% | 74.3% |
| 株式会社Hakuhodo DY ONE | 第23期(2026年3月期) | 27.2% | 81.8% | 74.4% |
この2行を「変化」として読むことはできません。合併によって母集団が入れ替わっているためです。第23期のHakuhodo DY ONEには、旧アイレップの社員だけでなく旧デジタル・アドバタイジング・コンソーシアムの社員も含まれています。
同じ会社名の数字を並べるときは対象期と母集団の両方を確認する必要があります。当サイトが各表に対象期を必ず併記しているのはこのためです。
転職を検討する立場でどう読むか
- アイレップという会社はもうありません。求人や紹介で社名を見た場合は、どの法人の話なのかを確認してください
- アイレップの平均年間給与は有価証券報告書で開示されたことがありません。金額が書かれている情報源は、有価証券報告書以外を出所としています
- 現在の数字は株式会社Hakuhodo DY ONEの583万円(2,690名・平均32.4歳・勤続5.9年)です
- この会社は平均年齢32.4歳・勤続5.9年と若い構成です。株式会社博報堂(40.1歳・12.4年・1,099万円)とは約1.9倍の差がありますが、年齢で7.7歳、勤続年数で6.5年の違いがあります
博報堂DYグループ全体は 博報堂の年収/28社の働き方の指標は 42社の多様性指標/年収の全体像は 広告代理店の年収一覧13社/同じく年収が公開されていない会社は 電通デジタル・ADK をご覧ください。
まとめ
- 株式会社アイレップは2025年4月1日付の吸収合併で消滅。存続会社は株式会社Hakuhodo DY ONE。有報の沿革・連結の範囲の注記・給与の脚注の3箇所で確認できる
- アイレップの平均年間給与は合併前も有報に記載がない。開示対象は提出会社と従業員数上位2社のみだった
- 現在の数字はHakuhodo DY ONEの5,829千円(約583万円・2,690名・32.4歳・勤続5.9年)
- その前期比+2.5%は単一会社の前年比較ではない。前期はDACとアイレップの合算値だと会社側が脚注で明記している
- 合併前後の多様性指標は母集団が入れ替わっているため変化として読めない
よくある質問
アイレップの平均年収はいくらですか?
株式会社アイレップの平均年間給与は、合併前も有価証券報告書に記載がありませんでした。博報堂DYホールディングスが平均年間給与を開示していたのは提出会社と従業員数上位2社のみで、アイレップは対象外だったためです。
アイレップという会社は今もありますか?
ありません。2025年4月1日付でデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社とともに、株式会社Hakuhodo DY ONEを存続会社とする吸収合併により消滅しました。博報堂DYホールディングス第23期有価証券報告書の沿革に明記されています。
では今はどの会社の数字を見ればよいですか?
株式会社Hakuhodo DY ONEです。平均年間給与5,829千円(約583万円)、従業員数2,690名、平均年齢32.4歳、平均勤続年数5.9年(第23期・2026年3月31日現在)。前期比+2.5%です。
Hakuhodo DY ONEの前期比+2.5%はそのまま読めますか?
読めません。有価証券報告書の脚注に、前事業年度の平均年間給与はデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社と株式会社アイレップの数値を合算して算出したと記載されています。単一の会社の前年比較ではありません。
出典
- 株式会社博報堂DYホールディングス 第23期 有価証券報告書(沿革/連結の範囲に関する事項/第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等)
- 株式会社博報堂DYホールディングス 第22期 有価証券報告書(2025年6月26日提出・アイレップの多様性指標および設備の状況)
- 株式会社電通グループ 第177期 有価証券報告書
- トランスコスモス株式会社 第41期 有価証券報告書
最終確認日: 2026年9月30日/引用は有価証券報告書の原文です。記載がない項目は「記載なし」と明示し、推測で補うことはしていません。本記事は各社の経営や労働環境の優劣を評価するものではありません。