広告代理店の年収一覧13社【2026年最新】持株会社と事業会社を分けて比較

結論

「広告代理店の年収ランキング」として並んでいる数字は、持株会社の数字と事業会社の数字が混ざっています。同じ土俵の比較になっていません。このページでは、有価証券報告書の原典にあたり、「誰の年収か」で分類した一覧を掲載します。

出典: 各社有価証券報告書(原典PDF)/最終確認日: 2026年9月30日

広告代理店の年収を比較するとき、何を間違えるのか

広告業界の大手は持株会社体制をとっていることが多く、有価証券報告書を提出しているのは持株会社です。そして有価証券報告書の「平均年間給与」は、原則として提出した会社単体の数値です。

つまり持株会社が提出している場合、そこに載っているのはグループ経営管理にあたる数十〜百数十名の平均であり、広告の実務を担う数千名の給与ではありません。

博報堂DYホールディングスは、この点を自社の有価証券報告書で明記しています。

当社(純粋持株会社)は、グループ全体の経営管理を主たる役割としており、直接雇用の従業員(出向者を除く)は限定的です。

会社自身が「この数字は実態を表さない」と書いているということです。ここを分けずに並べた一覧は、比較として成立しません。

持株会社と事業会社を分けた一覧

原典で確認できたものだけを掲載しています。空欄は「調査中」ではなく有価証券報告書に記載がないことを意味します。

① 持株会社の数字(実務を担う社員の給与ではない)

会社 従業員数 平均年齢 平均勤続 平均年間給与 対象期
株式会社電通グループ 135名 45.0歳 14.3年 15,959千円 第177期
株式会社CARTA HOLDINGS 117名 41.8歳 10.1年 13百万円※ 第26期
株式会社博報堂DYホールディングス 144名 42.5歳 13.0年 11,683千円 第23期
株式会社フリークアウト・ホールディングス 62名 35.6歳 2.8年 7,507千円 第15期
株式会社デジタルホールディングス 75名 40.7歳 9.3年 6,878千円 第31期
株式会社セプテーニ・ホールディングス 97名 34.9歳 7.3年 6,553千円 第35期

※CARTA HOLDINGSの有価証券報告書は平均年間給与を百万円単位の整数で表記しているため、1万円単位の数字は原典に存在しません(後述)。

② 事業会社の数字(実務を担う社員を含む)

会社 従業員数 平均年齢 平均勤続 平均年間給与 対象期
株式会社博報堂 4,580名 40.1歳 12.4年 10,990千円 第23期
株式会社サイバーエージェント 2,588名 33.8歳 6.5年 9,138千円 第28期
株式会社アドウェイズ 416名 34歳10か月 6年1か月 6,382千円 第26期
GMOインターネット株式会社(旧GMOアドパートナーズ) 674名 38.9歳 9.8年 6百万円※ 第27期
株式会社Hakuhodo DY ONE 2,690名 32.4歳 5.9年 5,829千円 第23期
株式会社Speee 601名 29.6歳 3年2ヵ月 5,731千円 第18期
トランスコスモス株式会社 18,141名 37歳7か月 9年8か月 4,993,509円 第41期
株式会社電通 ― ― ― 有報に記載なし ―

※サイバーエージェントは持株会社ではなく、提出会社そのものが事業会社です。※株式会社電通は連結収益の10%超のため損益情報のみ開示され、従業員数・平均給与は開示されていません。※GMOインターネット株式会社(証券コード4784)は2025年1月1日付でGMOアドパートナーズ株式会社から商号変更し、親会社から事業を吸収分割で承継して純粋持株会社から事業会社に転換しました。GMOインターネットグループ株式会社(証券コード9449)とは別の会社です。同社の有価証券報告書も平均年間給与を百万円単位の整数で表記しています。

持株会社の数字は「高い」とは限らない

持株会社6社を並べると、もうひとつ重要なことが分かります。

持株会社 従業員数 平均年間給与
株式会社電通グループ 135名 約1,596万円
株式会社CARTA HOLDINGS 117名 約1,300万円
株式会社博報堂DYホールディングス 144名 約1,168万円
株式会社フリークアウト・ホールディングス 62名 約751万円
株式会社デジタルホールディングス 75名 約688万円
株式会社セプテーニ・ホールディングス 97名 約655万円

いずれも従業員数は62〜144名と同じ規模帯ですが、平均年間給与は約655万円から約1,596万円まで2.4倍の開きがあります。

つまり「持株会社の数字だから高く出る」わけではありません。持株会社に誰が何人所属しているかは会社ごとにまったく異なり、その数字から事業会社の給与を推し量ることはできないということです。高く出る場合も低く出る場合もあります。

持株会社の範囲と事業会社の範囲は重なっている

区分 社数 平均年間給与の範囲
① 持株会社 6社 約655万円 〜 約1,596万円
② 事業会社 7社 約499万円 〜 約1,099万円

2つの範囲は約655万円から約1,099万円の区間で重なっています。持株会社のほうが必ず高いわけでも、事業会社のほうが必ず低いわけでもありません。

この一覧で持株会社と事業会社を分けているのは、どちらが高いかを示すためではなく、両者の数字に相関がないからです。「持株会社の1,596万円」を見て「この会社の社員は1,596万円もらっている」と読むことだけが、はっきり間違っています。

有価証券報告書の単位表記は会社によって違う

数字を比べる前に、もうひとつ確認しておくことがあります。有価証券報告書の「平均年間給与」の単位は、会社によって3通りあるという点です。

表の見出し 該当する会社(本記事の掲載分) 読み取れる精度
平均年間給与(円) トランスコスモス、アドウェイズ、フリークアウト・ホールディングス、セプテーニ・ホールディングス 1円単位
平均年間給与(千円) 電通グループ、博報堂DYホールディングス、博報堂、Hakuhodo DY ONE、サイバーエージェント、Speee、デジタルホールディングス 1,000円単位
平均年間給与(百万円) CARTA HOLDINGS、GMOインターネット 100万円単位

百万円単位で表記している会社は、原典に「13」「6」という整数しか書かれていません。したがって「1,300万円」「600万円」は±50万円の幅を持つ数字です。当サイトではこの2社について「約1,300万円」「約600万円」と書き、万円単位の断定をしません。

年収サイトやまとめ記事が同じ表に1万円単位で並べている場合、その精度は原典に存在しないことになります。

開示のしかたは会社によって違う

「調べれば分かる」と思われがちですが、何が公開されているかは会社によって異なります。大きく3類型に分かれます。

類型 該当 事業会社の給与が分かるか
A. 提出会社自体が事業会社 サイバーエージェント 分かる
B. 持株会社だが主要子会社も開示 博報堂DYホールディングス 分かる(博報堂・Hakuhodo DY ONE)
C. 持株会社で子会社の給与は非開示 電通グループ 分からない

C類型については、公開情報からは事業会社の給与水準を確認できません。当サイトでは、確認できないものを推測で埋めることはしません。詳しくは出典方針をご覧ください。

年齢構成を見ないと比較にならない

平均給与だけを並べると読み違えます。年齢と勤続年数が大きく違うためです。

  • 株式会社博報堂: 40.1歳・勤続12.4年 → 1,099万円
  • 株式会社サイバーエージェント: 33.8歳・勤続6.5年 → 914万円
  • 株式会社Hakuhodo DY ONE: 32.4歳・勤続5.9年 → 583万円
  • 株式会社Speee: 29.6歳・勤続3年2ヵ月 → 573万円

博報堂とサイバーエージェントでは平均年齢が6.3歳違います。同じ年齢で比べた数字ではないため、「どちらが高い」という読み方は成立しません。

転職を検討する立場であれば、平均値より「自分と同じ年齢・職種の人がどの水準にいるか」のほうが重要です。平均年間給与は、あくまで会社の規模感と年齢構成をつかむための入口の数字だと考えてください。

各社の詳細

今後、有価証券報告書を提出している広告・マーケティング関連企業を順次追加していきます。原典で確認できたものから掲載する方針のため、一度に全社は揃いません。

まとめ

  • 広告代理店の年収一覧は、持株会社と事業会社の数字が混在していることが多い
  • 持株会社の平均給与は数十〜百数十名の経営管理層の数字。博報堂DY自身が有報で「直接雇用は限定的」と明記している
  • 事業会社の給与が分かるかは会社の開示姿勢次第。電通グループについては公開情報から確認できない
  • 持株会社6社は約655万円〜約1,596万円、事業会社7社は約499万円〜約1,099万円で、2つの範囲は重なっている。持株会社のほうが必ず高いわけではない
  • 有価証券報告書の平均年間給与は「円」「千円」「百万円」の3通りの単位で表記される。百万円単位の会社は1万円単位の数字が原典に存在しない
  • 年齢構成が違う数字を並べて優劣を語ることはできない

よくある質問

広告代理店の年収ランキングはなぜサイトによって数字が違うのですか?

有価証券報告書の平均年間給与は提出した会社単体の数値です。持株会社が提出している場合、そこに載るのは経営管理にあたる数十〜百数十名の平均で、広告実務を担う社員の給与ではありません。この区別をせずに並べているランキングが多いためです。

持株会社の数字は高く出るのですか?

そうとは限りません。持株会社6社の平均年間給与は、株式会社電通グループ約1,596万円(135名)、株式会社CARTA HOLDINGS約1,300万円(117名)、株式会社博報堂DYホールディングス約1,168万円(144名)、株式会社フリークアウト・ホールディングス約751万円(62名)、株式会社デジタルホールディングス約688万円(75名)、株式会社セプテーニ・ホールディングス約655万円(97名)です。従業員数は62〜144名と同じ規模帯ですが、給与は約2.4倍の開きがあります。

持株会社のほうが事業会社より年収は高いのですか?

いえません。持株会社6社の範囲は約655万円〜約1,596万円、事業会社7社の範囲は約499万円〜約1,099万円で、約655万円から約1,099万円の区間で重なっています。持株会社と事業会社を分けているのはどちらが高いかを示すためではなく、両者の数字に相関がないためです。

事業会社の平均年収が有報で分かるのはどの会社ですか?

株式会社博報堂(約1,099万円・4,580名)、株式会社サイバーエージェント(約914万円・2,588名)、株式会社アドウェイズ(約638万円・416名)、GMOインターネット株式会社(約600万円・674名)、株式会社Hakuhodo DY ONE(約583万円・2,690名)、株式会社Speee(約573万円・601名)、トランスコスモス株式会社(約499万円・18,141名)です。株式会社電通については有価証券報告書に記載がありません。

有価証券報告書の平均年間給与の単位は統一されていますか?

されていません。「円」「千円」「百万円」の3通りがあります。株式会社CARTA HOLDINGSとGMOインターネット株式会社は百万円単位の整数で表記しているため、原典には「13」「6」しか書かれておらず、1万円単位の数字は存在しません。

平均年間給与が高い会社ほど給与水準が高いといえますか?

いえません。平均年齢と平均勤続年数が会社ごとに違うためです。株式会社博報堂は平均40.1歳・勤続12.4年、株式会社サイバーエージェントは33.8歳・6.5年、株式会社Speeeは29.6歳・3年2ヵ月で、同じ年齢で比べた数字ではありません。

出典

最終確認日: 2026年9月30日/各社の対象事業年度は表内に記載しています。